私は自慢をするのもアレだが、日光過敏であるにもかかわらず、日光に対する防御が普段的に甘いと思われる。
精神科の薬を飲んでいる関係からか汗を異常にかくため、長そでを嫌って半袖で外をほっつき歩いていることが多いくらいだ。
そのためにたっぷりと、日焼け止めをまるで何かの作品を創造するように体中に塗る。
けれど出かけ先で明らかに日焼け止めが汗で流れ落ちていても塗りなおすことはせず、主には日傘で強い日光を遮ることをしてきた。
ところが、この程度の適当ぶりでも何も症状が出なかったため、次第に日光を憎むような生活はしないように、そんな方向へ勝手にシフトしてしまっていたわけなのだけれど。
◇
先日、風が強く天気の良い日、どうしても息子の学校の用事で、学校まで出向かなくてはならない、という場面があった。
外は何度確認しても強風。こんなことでは日傘はおろか、帽子すら被って行くことができない。
どうしたものか。私は仕方なく日焼け止めを入念に塗り、そうして日傘もなく帽子もなしで外出することとなった。
日傘や帽子のない外出なんて、いつぶりだろう。そんなワクワクとした気持ちさえ持って、私は出かけて行った。
こうして半日、私は日光に対する防御が甘い状態で過ごしたわけなのだけれど、特に外出先で具合が悪くなったり、熱が出てきたり、皮膚が痒くなるという症状が見られなかった。
正直私はほっとっした。
別に防御なしでも太陽の下立派に過ごせるのだから、私が日光過敏というのは都市伝説のようなものであり、これまでは過剰すぎる防御で日常生活を制限し、人並みに太陽を楽しむことを放棄してきたのだ、そんなことすら思った。
さて外出から家に戻り、息子におやつを出したり、勉強を見たりする。
すると、頭皮に異常な痒さを感じた。それと連動するように両耳も耐え難い痒みに襲われ、ついには顔、腕、とどんどんと痒みに私の体は浸食されていった。
以前精神科の薬が体に合わずに体全体に痒みが出現した時と同じような痒みが、常に私の体を襲ってくる。
私ははじめこの病的な痒みの理由が思い当たらなかった。
でも痒い頭や全身を掻きむしりながらようやく思いついたのが日光過敏なのである。
なるほどこれが日光過敏なるものか。
SLEを発症して20年近くになる今更ながらにそんなことを考え、でもとにかく痒みを止めたいので、仕事中の主人へと連絡し、助けを求めた。
すると主人のアレルギー用の薬があるということで、いちかばちか効くか効かないか分からないけれども、藁にもすがる思いでその薬を飲む。
祈りがとどいたのか、30分後には痒みが軽減した。
◇
私に限らず日光過敏と診断されている、または日光をなるべく避けるように医師から言われている人へ伝えたいこととしては、頭皮に紫外線を降り注がせることは自殺行為だ。
絶対にやめよう。
見過ごされがちな耳にも日焼け止めを!
私も引き続き残りの人生、日光を遮る生活に勤めてまいる次第である。