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かつ丼嗚呼かつ丼

かつ丼。もうすぐかつ丼がやってくる。腹ペコの私のお腹を満たしてくれるだろうかつ丼。脂ギッシュでいかにも体に悪そうなかつ丼。食べるなって?言われなくても分かっているけれど、体にいいものをあまり摂らず、20年前と変わらない食生活を送っている。

初発でSLEになり駒込病院へ入院した時、まだ右も左も分からず(病気の理解と病院の抜け出し方など)、ただただナースと医者に指示されるままに、もちろん今のように独自性など築かず、割と真面目に入院生活を送っていたものだ。

そこへ私と同い年だというSLE患者が風邪をこじらせ私が入院していた大部屋へ入ってきた。彼女には毎日のように若い男の子がお見舞いに来ていて、きっと彼氏なんだろうなと勝手に決めつけていたら、なんとその人は彼女の旦那様であった。私は自分と同じ年の彼女がもう結婚しているのにも驚いたけれど、もっと驚いたことは、旦那さん以外にたまにお見舞いにくるじじいとばばあの発言だった。

「結婚してから病気になったんだから仕方ないじゃないの。気にしないでね」

という内容のことを繰り返し彼女に言い聞かせるように励ましていた。でもこれって待てよ、結婚前にSLEが見つかっていたら、結婚は認めなかったってことなの?ベッドが隣なので、聞きたくなくとも聞こえてきた。彼女は涙声でじじいとばばあに「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返していた。

その彼女と、隣のベッドということもあってポツリポツリと話をするようになる。
「退院したら、好きなもの食べたいなあ」
「だめだよ。体に悪いものは摂るべきではないよ。SLEが悪化するよ」
「え、そうなの?マックなんかもダメなの?」
「もちろんダメだよ。私の場合、どうしても食べたくなった場合、お家に帰ってから自分でハンバーガー作る」

修行僧とまで行かないけれど、口にするものを普通の人以上に気遣わなくてはならない。そんな面倒臭いことならいっそ、脂っこいものもジャンクフードもファストフードもやめてしまえばいい。と簡単に受け入れられれば、ナースにも医者にもほめてもらえる優秀な患者になれただろう。私の場合、「ハンバーガーは自分で作る」というくだりを聞いて(自分には無理だ)と諦めた。それに私は悪くもないのに「ごめんなさい、ごめんなさい」なんて謝りたくない。

さて、ちょうど頼んでいたかつ丼がきた。早速食べることとしよう。

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