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散歩

息子が最近絵画教室へ通い始めた。幼稚園の時は絵にはほとんど興味がなかったけれど、1年生の二学期辺りからは遊びの選択肢の中に絵を描くことが含まれるようになった。

せっかくなので本格的に学んでみてはどうなのだろうかといくつかの教室を体験させて、今の教室へ通うこととなった。

息子はすんなりと楽しく通ってくれているので、安心して教室に預けている。

さて今日はこの息子の絵画教室について書くわけではない。実はこの教室、私の実家が元々あった場所に近い。10分もかからない距離にある。

先週のこと私は、心の調子には悪いことだとは分かっていながらも、良い思い出なんて一つもないし止めておけばいいものの、お化け屋敷感覚でその元実家を見に行ってしまったのだ。

というのも理由めいたものとして、息子の絵画教室の時間が1時間半から2時間近くかかるので、時間潰しをしなければならない。

なので(あそこに行こうか)と決めていた喫茶店があったのだけれど、なんと息子のクラスメイトのお母さまがお茶をしていらっしゃるのを見つけてしまい、他の店を求めて何となく歩いていた。

地元なので(あそこにケーキ屋さんがある)とか(確かあの辺にも喫茶店があったよな)とうろ覚えではあるけれど頼りはあったので確かめに行く。

ところが閉店して他の店になっていたとかいう類の理由でことごとく目標は失われた。

15年もその地を離れるとこんなにも駅前は変わってしまうのかと、ため息が出た。今住んでいる場所とはたった一駅しか変わらないのに、最早私の知っている街ではない。街の速度が異様に速く感じられる。

そこで手持ち無沙汰からか、よく分からない勇気を振り絞り元自宅へ歩いて向かってしまった。

住宅地の一本道を真っ直ぐ歩く。両サイドに家が連なっている。15年ほど前に、当時父親の愛人だった女から私はこの高級住宅地を追い出された。顔ははっきり思い出せないけれどその女の名前がよぎる。

歩を進めると現実が突き付けられた。相変わらずきれいに手入れされているお家もあるし、壁を塗り替えていないのか、ヒビが入っているお宅もあった。現在の形になるまでに家族内でドラマが繰り広げられたのかもしれない、元々あった家はなくなり、その敷地には以前と同じ名前と別の名前で新しく二軒建ててある。

こういった自分が知っていた町並みとは変わった風景を見るだけでも、心が揺さぶられた。

いよいよその角を右に曲がると、元実家がある。私はなるべく平静を装い、右にゆっくり曲がった。角から2つ目が、私が住んでいた家だった。

父親が借金で首が回らなくなり、私が追い出された後すぐに差し押さえられた家である。結局は追い出される運命だった。

ゆっくりめに道を歩きながら、横目で素早く現在の状況を読み取る。門に取り付けてあった屋根が何故か撤去されていて、門の柱がむき出しになっていた。それが現在の家主さんのセンスなのだろう。

そうして私は二度と足を踏み入れることはないその場所を、散歩を装い立ち去った。

この出来事は先週のことだというのに、未だに何かを引きずっている。でも何を引きずっているというのだろう。あの家には家族らしい何かはなかったはずなのに。

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