女子医大の膠原病リウマチ痛風センター(以下「センター」)がなくなり、5月からは本院に吸収されることとなったのだ。本院1階に診察場所を設けるらしいとのことではあるが、1階のどの辺りというのは未だベールに包まれたままである。
ともかくこれは特に私のような女子医大のいくつかの科にかかっている患者にとっては朗報である。
まず第一に、今まではセンター独自でカルテを管理していたので、ようするに女子医科大学病院とセンターというのは別の病院という扱いだったので両者に繋がりがなく、女子医大の先生がセンターのカルテを見ることはできなかったし、またその逆も同じことであった。
他の病気もそうであるだろうが、SLEに関してはどこに症状が出てくるか分からないということもあり、やれ皮膚科、やれ消化器、やれ婦人科などセンターを軸に色々な科へたらい回しにされる傾向がある。
にも関わらず、大本の膠原病のカルテが閲覧できない、別病院扱いなのでセンターの先生にいちいち紹介状を書いてもらわなければならない、とにかく不便とわずらわしさしか伴わない。
もうすぐ平成の世も終わるというこの時代に、なんたる時代錯誤なやり方なのか、といつもいつも思っていた。
でもこの方法を替える気配がなかったため、私たちセンターの患者は諦めていたものだ。
第二に、採血採尿が一度で済むということ。
例えば私などは、午前中は女子医大病院で外来があるので、そのために採血採尿し、午後からはセンターの外来でここでもまた採血採尿をされるという、何ともバカバカしい事態を20年近く受け入れやってきたわけである。
結果両腕から採血され、場合によっては2回の採血とも失敗されて内出血。採尿もあまり大きな声で言えないが私は採取するのが苦手なので、汚してしまうこともある。
とにかく患者に何度も同じことで不愉快な思いをさせる、ということがなくなるのは女子医大のくせに(失礼!)進歩的である。
ところがセンターの患者というのは、センターにとても慣れているので、本院の狭苦しい待合室に耐えられるかどうかという問題もある。
今でこそセンターの待合室にはおびただしい数の椅子が並べられているわけだけれど(それでも本院よりは居心地が良い)、わりと最近まで高級ソファーがゆったりといくつか並べてあるような、女子医大の系列らしからぬ高級感こそ漂う雰囲気に包まれていたものだ。
そして未だにその精神をひきずっているような患者を散見できることから(一人で椅子を2つ使うなど)、そんな人たちに女子医大病院のルールめいたものが守れるのだろうか、ということだ。
そういう意味では隔離するべきセンター患者なのであるが、『勇敢に進みなさい。そうすれば総てはうまくゆくでしょう。』とジャンヌダルクの言葉もあり、センター出身として、頑張っていく所存である。