一つの歴史が幕を引こうとしている。
昨日はSLEの外来で東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター(以下センター)へ。
センターに通い始めたのは私が20代半ばのことなので、かれこれ15年程の付き合いになる。
そのセンターでの外来が昨日で終わりになったのだ(4月中急に具合が悪くなった場合は、こちらへ担ぎ込まれるのであろうが)。
どういうわけか、今更女子医大本体に吸収されることとなり、5月から私たちセンター患者たちは、私のように本院でも診察されている者以外は、右も左も分からないままに、突然広い世界に放たれるわけである。
センターはコンパクトにまとまっていたので、ズラリと並ぶ診察室のすぐ横で採血なんかが行われていたし、割と簡単にレントゲンや骨密度の検査をしてもらえたものだ。
ところが本院となると、そうは簡単に行かないだろう。おそらく骨密度の検査を受けたり、はたまたCTやMRIを受けたいとなると、本院内に装置はあるのにいちいち予約をしなくてはならないし、またその予約がなかなか取れないという実情にぶち当たることになるだろう。
同じ施設内にいながら、即日で検査を受けられないというもどかしさ、本院ならではのことだろう。
もっともセンターでCT、MRIなどを受ける時は、青山病院という、女子医大の他の施設へ出向かなくてはならなかったので、それはそれで大変なのであるが。
と文句や不安を書き並べても、とにかくセンターが4月中で閉められてしまうというのは決定事項であり、おそらくくつがえされない。
さて昨日の受診時のことだ。診察券を受け付けで出し、待合室で待っていると、通常であると数分経った後に尿と血液の検査に呼ばれることとなる。
私が来院したのは午後の13時前。ところが待てど暮せどなかなか私の名前が呼ばれない。
時刻は13時30分を過ぎていた。受付からマイクで私の名前が呼ばれている。急いで行く。
「予約が13時から武井先生(仮名)となっていますけど」
「武井先生で取っていませんけど」
電話予約した際、事務員が間違えて武井先生で取ったのだろう。
半月前に膀胱炎の疑いで来院した時、武井先生にたまたま診ていただいたので、その予約と勘違いし、事務は取ってしまったのかと思われる。
「私の主治医は武井先生じゃないんだから、そんなわけないでしょう」
呆れた。でもこれはセンターではよくある間違いであり、この手のことに何度振り回されたことか。うんざりだ。
結局私は13時に予約していたというのに、順番はどんどん抜かされていたようで、主治医に診てもらえたのは15時を過ぎていた。
でも5月からは、こういう間違いはなくなるだろう。本院では予約を取るのは医師本人であるからだ。
私は事務員を叱り飛ばすことはせず、ぐっと堪えた。
ようやく主治医の部屋へ入室する。
昨日の私は体調も良く先生に伝えることもなかったので、先生にセンター封鎖後の建物について、まずは質問してみた。
すると先生がおっしゃるに、医局も建物内に入っているので、建物自体はしばらく残りそうだけれど、特に新しい計画はなく今後は未定なのだという。
私はてっきり、ボロボロの中央病棟(入院棟)の代わりに、新しい棟を建ててくれるのではないか、と期待していたのに。
入院施設がまともになるのは、まだお預けということなのだった。