マンション住まいと持ち家ではどちらがいいのだろうか。
我々夫婦は相当悩み、結論を出して購入したのは家の方だった。
1番には主人も私も人間嫌いなので、他人と少しでも接触部分を減らしたかったということであろう。
おかげで音楽を大音量で聴こうと、息子が家の中で縄跳びをしようと、苦情がきたことがない。
ところが一軒家住まいにも欠点があって、特に私のような日光過敏の妻がいる家庭の場合、庭の草むしりが疎かになる、ということである。
庭師を頼めばいいではないか、という意見もあるだろうが、一般的な家庭であるために、そのような費用を捻出することが難しい。
するとこの暖かな春の時期くらいからか、常に草がボーボーと生えっぱなしになる、といった具合だ。
いや、抜いていないわけではない。主人が2週間に1回は抜いてくれてはいるのだ。それなのに草むらの成長がはやくて追いつかない状態なのである。
このことは家を購入する時に完全に盲点というか、完全に考えていなかった。ただただ他人との接触を減らしたい、そのことばかりに重点を置いていた。
普通のご家庭ならば、奥様が行う家事の中でルーティン化されたものでしかないのかもしれない。ところが我が家ではそれができない(日光過敏のため)。
せいぜい草むしりをサボれるのは冬の間だけで、他の季節は植物が基本的には生きているために、そのリズムに合わせて処理をしなければ、あっという間に草むらになってしまったりしている。
このことを解決するには、私の病気が完治するか、若しくは家を売ってマンションに住みなおすことしか今のところ考えられないのだが、前者(SLE)が今のところ難病と言われている限り、後者の道を取らざるを得ない。
ところがこれにも問題があり、主人の会社への通勤距離だとか息子の学校への通学距離などを考えると、今の場所というのはベストではないものの、そこそこ勝手が良いものだったりするのだ。
家庭生活を営むにあたって、何を重要視するのか。通勤、通学時間というのは勿論組み込まれる事項だろう。我が家の場合、これに加えられるものとして、通院時間というものが重要になってくる。
今の住まいからは正直女子医大が遠いために、時々冗談めいて「あの辺にマンションを買ってくれ」と頼むこともある。
けれど以上のような事情、特に息子の通学事情により、家を動けないでいる、というのが現状であり、さらに草むしり問題ということが一軒家の住みにくさを強調してしまっている、というところだろうか。