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告白 その29

翌日私と内藤は女子医大病院ではなくて女子医大の門の前で待ち合わせをした。

病院には何度も来ているが大学の敷地に足を踏み入れるのははじめてであり、それに学生でもないのに勝手に入り込んで怒られはしないかと、私は考えていた。私は人に怒られるのが嫌いだからだ。

待ち合わせの時間とやらに大幅に遅れて内藤がやってくる。「ごめん、遅れて」とここでも軽い感じの物言いである内藤であったが、それが彼のキャラなのであると、私なりには納得した。

「早速君にやってもらいたいことがある」

どういうことだろう?私は内藤に勉強を見てもらうために大学に呼び出されたはずであるが。

図書室のようなところに案内され、そしてその一角の机の上にはいくつかの小山になっている資料のようなものが既に置いてあった。

「これをホチキスで留めててもらいたい」

ようするに雑用であった。けれど私はここでは内藤の計らいなのだと好意的に捉えた。というのも家で暇を持て余していたのは確かだし、それを見透かした内藤がわざわざ私に仕事を与えてくれたのだろう、と思えたのだ。

そうして図書館で作業をしていると、時々内藤の生徒が内藤に声を掛けてくる。小さな大学なのだろう、私が部外者だと分かるのか、みな不思議そうに私の姿形に一瞥をくれてその場を後にしていく。

内藤は私が作業している間隣に座り、内藤も教鞭を執る私が入学予定の専門学校について話をしてくれていたように思う。

けれど私は膨大な資料の山を片付けなければならず、あまり耳を貸している余裕などなかった。

ようやく資料の山を片付けると、内藤は「ごくろうさんだったね」と言って椅子から立ち上がった私の腰を抱いた。

かなりの違和感が勿論走ったわけだけれど、私はそれに気付かないふりをした。何もおかしく感じられることはなかったように振る舞う。

「それじゃあまたお願いすることがあったら連絡しますね」

内藤は全く私に勉強など教える気がなくて、ただ呼び出したいだけなのだということはここで悟ったのだけれど、何せ4月から通う専門学校の担任らしいので、下手に逆らうと私が在学し続けられるか否かに関わってくるのだと諦めた。

その日以降私は内藤に呼び出されるとすぐに彼の指定した場所へ向かうこととなる。

はじめは女子医大に通うだけで済んでいた。ところが段々とエスカレートし、毎週日曜日は内藤とのドライブに付き合わされるようになる。助手席に座る私の太ももや胸をさりげなく触ってきたり、でも私はこれらも気付かないふりをし、抵抗するわけでもなく受け入れていた。

それがとうとう内藤にキスを迫られた時に危機感を感じ、父親に起こったことを訴えることにしたのだった。

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