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告白 その37

「一緒に住もうと思っているヒトがいるんだ」

まだ懲りないのか、この男は。

今まで寄ってくる女女に金を搾り取られ、そこに愛は存在しなかったということを何度も学習したはずなのに、父に新な女ができたようだ。

「はるみっていうんだ」

父の話によればはるみとは、父がよく行く飲み屋で働く女性らしいのだけれど、年齢は40代半ばだという。

想像するに場末の飲み屋でアルバイトとしてしか働くことしかできない、それで生計を立てているというのは貧窮の極地だと思われるし、またそんな年になるまで何も努力してこなかった女であることが1分で理解できた。

でもこの時私はすでに独立していたので、私にさえ迷惑を掛けなければという考えしかなった。

だからはるみがアバズレだろうと何だろうと、どうでも良い話であった。

寧ろお似合いの組み合わせで、今まで父は女性の質に関してもおそらく背伸びをしていた分、その程度の女に安心を覚えたのかもしれない。

祝福の気持ちさえあった。

ところがよくよく話を聞いていると腹立たしくなってきた。

「ネイルに行くお金がないから、父が払ってやっている」だの「犬を飼いたいからチワワを買ってやった」だの、到底慎ましい生活を送るべき女の態度ではないのだ。

ネイルや犬なんて、なくても生活は困らないのだから、まずは自分の生活を上げようと努力しないのだろうか。不思議な女であった。

しかし40代半ばにもなって、自分の店を持っているわけでもなく、アルバイトという立場でしかないということは推して知るべしであり、ろくな女でないことは会わなくとも分かる。

それにしても父は女が変わるたびに女のランクを下げていくな、と私は半分面白がって見ていた。

けれどどの女にも共通することは、父にお金があると思って近づいてくることだ。

そして真実が暴かれた時、女は去っていく、この繰り返しだ。

何ともつまらん、繰り返しの人生でしかない、父の人生というのは。

はるみはいつ真実に気付き、発狂するのだろうか。

私の結婚式の日、はるみを招待していないのにも関わらず、どうやら父に着いてきたらしく、義理の父母とホテルの廊下ですれ違ったらしい。

父の妻、という立場でもないのにのこのこと着いてきて、ここでも彼女は非常識ぶりを発揮していたのだけれど、父とはもう別世帯なのでどうでもよく、とにかく迷惑を掛けてくれるな、その一言に尽きるのであった。

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